英国のサンドイッチチェーン「プレタ・マンジェ(Pret A Manger)」は29日、ルクセンブルクの投資会社JABホールディングスが過半数株を取得することで合意したと発表した。取引額は約15億ポンドに上る見込み。およそ10年間にわたりオーナーだった英プライベート・エクイティ―(PE)のブリッジポイントから買い取る。
プレタ・マンジェは1986年、ロンドンに1号店を開設。2008年にブリッジポイント・アドバイザーズに3億5,000万ポンドで買収された。現在は足元の英国のほか、米国、香港、中国、フランスで計530店舗を展開。グループの売上高は8億7,900万ポンドで、従業員1万2,000人を擁する。BBC電子版によると、プレタ・マンジェは今回の取引が完了した暁には、従業員1人につき1,000ポンドのボーナスを支給する方針。
一方のJABは米国で既にコーヒーチェーンのカリブー(Caribou)・コーヒーやピーツ(Peet’s)・コーヒー&ティーを展開。コーヒー豆の「ダウエグバーツ(Douwe Egberts)」やコーヒーマシンの「センセオ」などのブランドを展開する蘭ジェイコブズ・ダウエグバーツ(JDE)や米ドーナツチェーンのクリスピー・クリーム・ドーナツを傘下に持つ。
同社は近年、コーヒーや飲料事業の拡大を加速させており、2016年3月にはコーヒーマシンなどを手掛ける米キューリグ(Keurig)・グリーン・マウンテンの買収を完了。現在ではコ―ヒー産業で世界最大手のネスレ(スイス)に次いで2位に付けている。さらに今年1月にはキューリグ・グリーン・マウンテンが、炭酸飲料メーカーとして世界5位の米ドクター・ペッパー・スナップル・グループ(DPSG)と経営統合することで合意。買収額は187億ドルで、清涼飲料業界の買収案件として最大となった。[M&A]
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