独金融最大手ドイツ銀行は24日、債権や証券のトレーディング事業で従業員の25%に相当する7,000人超を整理する方針を明らかにした。クリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)が就任して以降で初の経営再建に向けた大型措置で、コスト削減による黒字復帰を目指す。
ドイツ銀は4月、業績不振が続くコーポレート&投資銀行部門の見直しとして、欧州の顧客に注力していくとともに、法人向け事業については、足元のドイツや欧州の経済と密接に関連した事業を手掛ける企業や金融機関に軸足を移し、米国やアジアでの活動を縮小する方針を示していた。事業再建にかかる費用は今年だけで最大8億ユーロに上るとみている。なお、ドイツ銀は今回、調整後の事業コストを230億ユーロに抑える目標をあらためて確認。2019年については、さらに220億ユーロに下げるとしている。
同行は欧州で6万6,000人、アジアで2万1,000人、北米で1万人の従業員を抱える。今回の人員整理でどの国が影響を受けるのかは明らかにされていない。ゼービングCEOは「コーポレート&投資銀行部門に注力するとともに、世界的な地位の維持に努める」とコメントした。
ドイツ銀は、2017年通期に純損失が4億9,700万ユーロとなり、3年連続で赤字を計上。ジョン・クライアン前CEOは4月、2020年の任期満了を待たずに解任となった。[労務]
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