アイルランドの格安航空大手ライアンエアーは21日、2018年3月通期の純利益が14億5,020万ユーロとなり、前期比10%増加したと発表した。平均運賃が下落したことで、ドイツやイタリア、スペインを中心に乗客数が拡大し、過去最高益を更新している。
売上高は8%増の71億5,100万ユーロ。乗客数は1億3,030万人と9%増えている。搭乗率は95%と1年前から1ポイント上昇した。平均運賃は39.40ユーロと3%低下。1座席当たりの平均コストは1%下落した。
同社は今期について、乗客数が7%拡大し1億3,900万人に達すると予想。1座席当たりの平均コストは9%上昇する一方、平均運賃は前年並みになるとみており、売り上げの伸びがコスト高と運賃の下落を完全に相殺するのは難しいとし、純利益は12億5,000万~13億5,000万ユーロに落ち込むとの見方を示した。
同社は昨年9月、休暇年度の変更に伴う休暇スケジュールの調整ミスにより、2万便が欠航。パイロットの離職が報じられると、マイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)が賃上げと労働条件の改善を提案し、さらに同社が設立当初から拒否してきたパイロット労働組合を英国とイタリアで認定した。
■アイルランドでストも
アイルランドのパイロット労組は先に、ライアンエアーに対し、勤務地や昇進、休暇などを含む新たな労働条件の導入を要求。24日までに合意するよう求めている。会社側がこれに応じない場合はストライキの決行もあり得るとしている。なお、アイルランドとスペイン、ポルトガル、ドイツの労組に関しては認定に向けた協議を進めている。[労務]
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