スペイン北東部カタルーニャ自治州の議会(定数135)は14日、独立派で無所属のキム・トラ議員(55)の首相就任を可決した。66対65の僅差で賛成票が上回った。新首相の人選を巡り5カ月にわたり続いた混迷に終止符が打たれたものの、独立派が支配する同州とスペイン政府の間には依然として火種が残る。
トラ氏の首相就任は、独立派のジュンツ・パル・カタルーニャとカタルーニャ共和主義左翼(ERC)が支持した。同氏はカタルーニャ独立を目指す活動家で、2017年12月の自治州議会選挙にジュンツ・パル・カタルーニャの支持する無所属候補として立候補し、当選したばかりだが、同州のプチデモン前首相が後任に指名していた。トラ氏は昨年10月に行われた住民投票の結果を尊重し、あくまでカタルーニャの独立を目指すとしている。
同州では昨年10月、ジュンツ・パル・カタルーニャを率いるプチデモン前首相が、憲法裁判所の違憲判断を押し切り独立を巡る住民投票を決行。投票率は42.3%にとどまったが90%が独立を支持した。これを受け、同自治州は独立宣言に踏み切ったものの、憲法に基づき同州の自治権は停止され、スペイン政府の直接統治下に置かれていた。12月の州議会選挙では同党が再び第1党となったが、プチデモン氏は逮捕を避けるため国外逃亡を強いられていたため、同州首相への復帰を断念。他の首相候補もこの問題を巡る法的問題が足かせとなり承認に至らずにいた。
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