英金融大手バークレイズのジェス・ステイリー最高経営責任者(CEO)が内部告発者の身元を特定しようとした疑いが持たれている問題で、英金融行為監督機構(FCA)および英中銀イングランド銀行の下部組織であるプルーデンス規制機構(PRA)はそれぞれ同CEOに罰金を科した。ただ、免職処分までは踏み込んでいない。同行が20日発表した。
罰金の額は明らかにされていない。PRAとCFAはこの件に関する調査を終了し、同CEOに警告通知案を送達した。この中で、同CEOが「適切な技能や配慮、注意義務に欠けていた」との判断を下したが、「CEOの任務遂行に必要な適格性や妥当性を欠いてはいない」との見解を示したという。両当局は、ステイリーCEOの同意を得た上でこの警告を確定し、内容を正式に発表する予定。
バークレイズは、「取締役会はステイリー氏を引き続き全会一致で信任する」としている。同CEOは既に2017年5月の株主総会で過ちを認めて謝罪し、懲戒処分と減給処分を受けていた。
ステイリーCEOは2016年6月、同行の取締役会が同CEOの元同僚の採用に絡む内部告発を受けた際、この内部告発者の身元を特定しようとした。PRAとFCAはこの件について2017年4月に調査を開始していた。英国では2013年に、バークレイズを含む国内大手各行がロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作に加わっていた事実が発覚したことを受け、FCAとPRAが金融機関の内部告発を促進するための新たなルールを策定。2016年6月にこれを施行していた。[労務]
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