独高級車大手BMWが一部モデルのディーゼル車で排ガス検査を欺いていたとして、米国のオーナーが27日、米北東部ニュージャージー州の連邦裁判所で集団訴訟を起こした。原告代理の米法律事務所ハーゲンス・バーマン・ソボル・シャピロ(Hagens Berman Sobol Shapiro)が発表した。
対象モデルは、2009~2013年に生産されたスポーツタイプ多目的車(SUV)「X5」と、2009~2011年に販売されたセダン「335d」。訴状によると、これらのディーゼル車には、排ガス検査時以外は排ガス管理機能のスイッチを切るシステムが搭載されていた。この結果、実際には同じモデルのガソリン車の何倍にも及ぶ窒素酸化物を排出していたという。訴状は「BMWは、排出量の操作に関する情報開示を怠り、誤解を与えた」としている。
汚染物質の排出量を操作するソフトウエアをエンジンに搭載すること自体は違法ではないが、排ガス検査を欺くことが目的の場合や、こうしたソフトの存在に会する情報開示を怠った場合には違法となる。
BMWを巡っては、1万1,400台の乗用車に排ガス検査を欺く違法ソフトウエアを搭載していた疑いがあるとして、ドイツの検察当局が先に予備捜査を開始し、同社の本社などを家宅捜索している。
■VW、英で集団訴訟の審問開始
英高等法院で27日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を巡る集団訴訟の審問が開始された。フィナンシャルタイムズが伝えた。
この集団訴訟は2017年1月、同社の一部ディーゼル車のオーナー約6万人が補償を求めて起こしたもの。2009~2015年に生産され英国で販売された120万台が対象で、VWのスペイン子会社セアトや、高級車部門アウディ、チェコ子会社シュコダのモデルも含まれている。英高等法院は3日間にわたる審問を経て、集団訴訟で原告の代理となる法律事務所の選定や、集団訴訟への参加の締切日などを決定する。[環境ニュース]
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