英中銀イングランド銀行は21日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.5%に据え置くことを決めた。金融資産購入による量的緩和策については、4,350億ポンドで維持した。いずれも大方の予想通り。ただ、予想に反し2人の委員が利上げを主張しており、市場では5月に利上げが行われるとの見方が強まっている。
議事録によると、9人の委員のうちマイケル・サンダース委員とイアン・マカファーティー委員の2人が0.25ポイントの引き上げを訴えた。金融資産の購入規模の維持は全会一致で決定した。
イングランド銀は昨年11月、インフレ率の加速に歯止めをかけるため政策金利を0.25ポイント引き上げ、2007年7月以降で初めて金融引き締めに転じた。前回2月のMPC後には向こう3年で0.25ポイント程度の利上げを3回以上実施する可能性を示唆したため、市場では早ければ5月にも利上げが行われるとの見方が出ている。
中銀は今回もこの考えを維持。「インフレ率を目標値まで持続的に引き下げるためには、継続的な金融引き締め策が必要」とした上で、「利上げは限られた範囲内で徐々に行う可能性が高い」との見方をあらためて示した。ただ、2月以降の経済状況に大きな変化はなく、9人中7人の委員は、直ちに利上げを行う必要はないと判断した。
2月のインフレ率は2.7%と、1月から0.3ポイント減速し、6カ月ぶりに2%台にとどまっている。
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