英自動車・航空部品大手GKNは9日、自動車部品を手掛ける主力のドライブライン部門を米自動車部品大手デーナ(Dana)と統合することで合意したと発表した。エンジニアリング関連の投資会社メルローズ(Melrose)・インダストリーズによる敵対的買収案への対抗措置の一環。
GKNの株主は新会社の株式47.25%を取得するほか、GKNはデーナから現金16億ドルを受け取る。取引はGNKのドライブライン部門を61億ドルと評価した格好となる。統合後の新会社はデーナの社名を引き継ぎ、登記上の本社は英国に置くものの、デーナが本拠とする米オハイオ州に引き続き本社を置き、ニューヨークで上場する。
取引はGKN株主の承認を受ける必要がある。株主はメルローズからの買収提案と比較して承認するかどうかを決めることになる。
メルローズはGKNへの買収提案を2度にわたり拒否されたことを受け、敵対的買収に方針を転換し、GKN株主への直接的なアプローチを開始。GKNはこれを拒否するよう株主に呼び掛けており、2月には対抗措置として、非中核事業を手放し、向こう3年で計25億ポンドの現金を株主に還元する方針を示していた。
なお、欧州委員会は8日、メルローズによるGKN買収案を承認。メルローズの株主も既にこれを承認している。[M&A][EU規制]
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