全国の鉄道インフラを管理するネットワーク・レールは13日、2019~2024年の5カ年計画(CP6)を発表した。投資総額は470億ポンドに上り、大部分を既存路線の保守や改修に振り向ける。一方、新プロジェクトへの投資は大幅に縮小する見込みだ。
投資額は前回の5カ年計画(CP5)から25%増加。うち185億ポンドを運営と保守に、同等額を改修に振り向ける。一方、新規プロジェクトへの拠出は101億ポンドと、前回から33%縮小した。ネットワーク・レールはこれについて、各プロジェクトを精査し、実行可能と判断した場合にのみ投資し、プロジェクトによっては税金以外の資金源を探す必要があると慎重な姿勢を示している。
計画ではこのほか、2021年までに1日当たり1,000便を追加し、2024年には遅延本数を15%減らす目標を掲げた。また、エネルギー消費量を18%、二酸化炭素(CO2)排出量を25%それぞれ削減する。さらに、女性従業員を現在から50%増やす予定だ。
CP6は今後、英鉄道・道路規制庁(ORR)による審査と承認を経て、2019年3月末までに最終案が発表される。
ネットワーク・レールは2014年3月、総額380億ポンドをかけて鉄道インフラを近代化するCP5を打ち出したものの、コストや負債の肥大化に加え、計画に大幅な遅延が生じたため、政府は同年9月に同社を再国有化。2015年6月に計画の延期または縮小を決めた経緯がある。政府は昨年11月、同社のインフラ管理権限などを各鉄道路線を運営する民間企業に移譲し、民間資本を取り入れるとともに、保守・改修工事などを迅速化する方針を明らかにしている。[環境ニュース][労務]
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