独金融最大手ドイツ銀行は2日、2017年12月通期の純損失が4億9,700万ユーロとなったと発表した。前年の13億5,600万ユーロから大きく減ったものの、米国で1月1日に施行された連邦法人税率引き下げによる繰延税金資産の評価調整で14億ユーロを引き当てたことが響き、3年連続で赤字を計上した。
業務粗利益は12%減の264億4,700万ユーロ。税引き前利益は12億8,900万ユーロと、1年前の8億1,000万ユーロの赤字から黒字を回復した。うちアセットマネジメント部門は2億600万ユーロの赤字から7億2,500万ユーロの黒字に転換。一方、プライベート&コマーシャルバンク部門は73%、コーポレート&投資銀行部門は49%の減益だった。
貸倒引当金は5億2,500万ユーロと62%減少。訴訟関連費用は91%減の2億1,300万ユーロだった。「バーゼル3」全面適用時の普通株式等ティア1レシオ(自己資本比率)は12月末時点で14%と、3カ月前から0.2ポイント上昇した。
ジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は、「米国の税制改革の影響で赤字を計上したが、われわれは厳格なコスト・リスク管理を継続することで成長と高収益を生む道を着実に進んでいる」とコメント。また、傘下のポストバンクの統合も順調だと述べた。ドイツ銀は昨年10月にポストバンクを統合し、プライベート&コマーシャルバンク部門の1ブランドとすると発表。手続きは今年6月までに完了する見通しだ。[M&A]
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