鉄鋼で世界最大手のアルセロールミタル(ルクセンブルク)は1月31日、第4四半期(2017年10~12月)の純利益が10億3,900万ドルとなり、前年同期の4億300万ドルから2.5倍超に拡大したと発表した。需要拡大や鉄鋼価格の上昇が追い風となったほか、事業改善プログラムが順調で押し上げた。
売上高は25.4%増の177億1,000万ドル。出荷量は鉄鋼が5%増の2,100万トン。鉄鉱石は840万トンと、3.7%増えた。平均販売価格を見ると、鉄鋼は第3四半期から2.7%上昇した半面、鉄鉱石は8.1%落ち込んだ。グループのEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は21億4,100万ドルと28.9%拡大している。
2017年通期の純利益は45億6,800万ドルと、前年の17億7,900万ドルからこちらも2.5倍超に拡大した。売上高は20.9%増の686億7,900万ドル。EBITDAは34.4%増えて84億800万ドルだった。
同社は2020年までに、コスト削減や増産、高付加価値製品への注力などを通してEBITDAを2015年比で30億ドルほど引き上げる事業改善プログラムを進めている。2017年は、高い投資利益率が見込まれる伊同業イルバ(ILVA)の製鉄所や中南米事業への投資を進める一方で、増産などによりEBITDAを6億ドル改善。累積では15億ドルのプラス効果を上げており、目標を半ばまで達成した。
アルセロールミタルは今年について、世界の鉄鋼需要が1.5~2.5%拡大すると予想。今年の設備投資額は38億ドルと、昨年から10億ドルほど引き上げる方針を示している。
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