アイルランドの格安航空大手ライアンエアーは30日、英航空操縦士協会(BALPA)を英国拠点のパイロット600人を代表する労働組合として正式に認定することで合意した。同社が労組を認定するのは創業以来初めて。現在も協議が続いている欧州の各拠点での交渉にも影響を与えそうだ。
BALPAのブライアン・ストラットン書記長は、これまで労組に反対してきたライアンエアーにとって歴史的な合意だと評価。「当初はライアンエアーの労組認定に対する誠意に懐疑的だったが、協議を進める中で、同社が労組と建設的な関係を築くことを心から望んでいることが示された」と述べた。
BALPAは今後、賃金や労働時間、交代勤務、休暇などを巡る将来的な交渉の先頭に立つ5人の代表者を選出する方針。また、契約社員のパイロットに助言するグループもこれとは別に選定するという。
英国のロンドン・スタンステッド空港は同社最大のハブ(運航拠点)で、英国拠点のパイロットは全体のおよそ4分の1を占める。ライアンエアーは今回の合意に先立ち、英国の全15拠点のパイロットと最大20%の賃上げで妥結していた。同社はアイルランド、イタリア、ベルギー、ドイツ、スペインを拠点とするパイロットとも協議を進めている。[労務]
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