チェコで26~27日、大統領選挙の決選投票が行われ、現職のゼマン氏(73)がチェコ科学アカデミーのドラホシュ前総裁(68)を抑えて当選を決めた。難民や対露政策で欧州連合(EU)と距離を置く同氏が親EU派を破った格好で、2023年3月までの任期を務める。
得票率はゼマン氏が51,4%、ドラホシュ氏が48,6%と接戦だった。移民に対する態度が勝敗を分けたとみられ、より強硬な姿勢を打ち出したゼマン氏に票が集まった。投票率は66.6%だった。
ゼマン氏の再選は、チェコで目下進行中の組閣にも影響を及ぼす可能性が高い。同氏はバビシュ首相を支持する数少ない政治家の1人で、先にバビシュ内閣が議会の信任投票で否決され総辞職に追い込まれた際も、直ちに同首相に2度目の組閣を命じている。
ゼマン氏はイスラム教徒に不寛容な一方、ロシアや中国に対し友好的な姿勢で知られ、トランプ米大統領への支持も公言。欧州難民危機ではEUが掲げる難民割当制度に反発している。一方のドラホシュ氏は、難民割当制度には反対の立場を取っているものの、極端な思想やポピュリズムには同調せず、親EU路線を打ち出していた。
12~13日に行われた第1回投票の得票率は、ゼマン氏が38.6%、ドラホシュ氏が26.6%だった。
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