スペイン北東部カタルーニャ自治州議会(定数135)のトレント議長は22日、プチデモン前首相を首相候補として擁立すると発表した。同氏は現在、ブリュッセルに滞在しているが、31日に行われる投票で再選を狙う。BBC電子版などが伝えた。
同州では昨年10月、独立の是非を問う住民投票が行われたが、スペイン政府はこれを違憲と判断。しかし、同12月の自治権停止に伴う解散総選挙では、スペイン政府の予想に反し、独立支持派が過半数の70議席を獲得した。今年1月に入って行われた初の州議会では、独立支持派のトレント氏が議長に選出されている。
プチデモン氏は、違憲の住民投票を強行したとしてスペイン政府によって罷免されて以来、ブリュッセルに滞在している。同氏はスペインに帰国した場合に逮捕される可能性が高く、同氏は国外から職務を行いたい考えを示している。これに対しスペイン政府は、首相選出時には本人の出席が求められるとして、同氏の国外からの再選を違法と判断。また、ベルギーに滞在したまま州首相の職務を遂行しようと試みた場合、中央政府によるカタルーニャ州の直接統治を継続すると警告している。
■プチデモン氏、デンマーク訪問
プチデモン氏はこの日、デンマークのコペンハーゲンを訪問した。コペンハーゲン大学でカタルーニャ自治州を巡るディベートに参加するためで、昨年10月以来、ベルギー国外に出るのは初めて。
スペインの検察当局はこれを受け、最高裁判所に欧州連合(EU)内で適用される欧州逮捕状(EAW)の再発行を要請するとともに、デンマーク政府に同氏の身柄引き渡しを求めた。しかし同裁は、カタルーニャ州議会が正常に戻るまで再発行を見送るべきだとして、これを却下している。
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