英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空を運営するインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は、経営破綻した独エアベルリンのオーストリア子会社ニキ航空(NIKI Luftfahrt)の資産を取得すると発表した。取引額は2,000万ユーロで、これとは別に最大1,650万ユーロの流動性資金の供給を計画する。
取引の対象となるのは、エアバスのナローボディ機「A320」最大15機に加え、ウィーンをはじめ、ドイツのデュッセルドルフやミュンヘン、スペインのパルマ・デ・マヨルカ、スイスのチューリヒなどの空港の発着枠。取引後、ニキ航空はIAG傘下の短距離格安航空ブエリング(Vueling)の子会社となるが、当面は個別に運営される見通しだ。取引完了には欧州委員会の承認を要する。
IAGは「ニキ航空の取得によってブエリングのオーストリア、ドイツ、スイスでの存在感が高まる」としている。新会社には、ニキ航空の元社員740人ほどが移管される計画だ。
ニキ航空を巡っては、独最大手のルフトハンザ航空が昨年10月に買収する見込みとなっていたが、欧州委が難色を示したことを受けて断念。その後、IAGのほかにもフォーミュラ1(F1)の元レーサーでかつてニキ航空を保有していたニキ・ラウダ氏らが取得に興味を示していた。[M&A][労務]
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