欧州委員会は21日、独最大手のルフトハンザ航空が経営破綻したエアベルリンの地域航空子会社LGウォルターと航空機20機を買収する計画を条件付きで承認すると発表した。
欧州委は調査の結果、ルフトハンザがLGウォルターを買収すれば、同社のデュッセルドルフ空港の発着枠が過度に拡大し、競争に悪影響を与えると判断。これを受け、ルフトハンザはこの取引により自社に移管される同空港の発着枠の一部を手放す是正案を提示し、欧州委が今回これを受け入れた。
取引は来年1月に成立する見通し。ルフトハンザはこの取引により、エアベルリンとLGウォルターの航空機計33機と、LGウォルターの全従業員を引き受ける。いずれも傘下の格安航空ユーロウィングスに移管される。
エアベルリンは8月に破産手続きを申請。ルフトハンザは10月、ユーロウイングスの事業拡大に向け、同社傘下のニキ航空(NIKI Luftfahrt)とLGウォルター、航空機20機を約2億1,000万ユーロで引き受けることで合意した。しかし、欧州委が競争上の懸念から承認を保留したため、今月13日にニキ航空の買収を断念。これを受け、ニキ航空は15日に破産手続きを申請した経緯がある。
なお、エアベルリンの資産のうちベルリン・テーゲル空港などの発着枠を含む一部資産は、英格安航空大手イージージェットが総額4,000万ユーロで取得することで合意。こちらの計画は欧州委員会から無条件で承認を得ている。[M&A][EU規制][労務]
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