スペイン北東部カタルーニャ自治州で21日、州議会(定数135)選挙の投開票が実施された。午後10時(現地時間)時点の開票率は91.2%で、独立支持派の獲得議席数は過半数の計70議席に達する見通しとなった。BBC電子版などが伝えた。
投票は午後8時に締め切られ、投票率は86%に達した。得票率を党別に見ると、独立支持派で罷免されたプチデモン前首相率いるジュンツ・パル・カタルーニャが21.7%と34議席を獲得する勢い。同じく独立支持派のカタルーニャ共和主義左翼(ERC)は21.4%で32議席、極左政党の人民連合(CUP)は4議席となる見通しだ。
一方、独立反対を打ち出している中道新党シウダダノス(Ciudadanos)は得票率が25.4%、議席数が36議席と党別では首位に立っているが、独立反対派の合計議席数は65議席と支持派に及ばない見込みとなっている。反対派はバルセロナ県で優勢となり、全体の得票率でも支持派を上回るとみられるが、ジローナ県とリェイダ県で独立派に大きく引き離された。
通例では、最大議席を獲得した党が政権樹立を試みる権利を有するが、独立派が全体で過半数を握った場合はこれに反対する公算が強い。
カタルーニャ自治州は10月1日、憲法裁判所の違憲判断を押し切って住民投票を決行。投票率は42.3%にとどまったが90%が独立を支持した。これを受け、同自治州は独立宣言に踏み切ったものの、スペイン上院は憲法に基づき同州の自治権を停止。解散総選挙を命じた。
なお、スペイン政府はロシアなどからのサイバー攻撃を警戒して、電子的な開票作業を禁じた。各投票所での手作業による開票結果は電話を介して政府の委託を受けた民間企業に報告される。政府の公式な開票作業は24日に行われ、3日以内に最終的な結果が公表される。
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