英中銀イングランド銀行は13日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.5%に維持することを決めた。イングランド銀は11月、目標を上回って推移するインフレ率の加速に歯止めをかけるため、2007年7月以降で初の利上げに踏み切っていた。金融資産購入による量的緩和策については、4,350億ポンドで維持した。いずれも大方の予想通り。
議事録によると、金利の据え置きと金融資産の購入規模の維持はいずれも全会一致で決定した。前回11月の利上げの際には、9人の委員のうち2人が金利の据え置きを主張していた。
11月のインフレ率は3.1%と、2012年3月以降で最高の水準を記録。中銀が目標とする2%を10カ月連続で上回った。同行はインフレ率がピークに近づいているとして、中期的には2%に向かって減速すると予想する。ただし3%を超えた場合に中銀総裁は、財務大臣宛ての書簡でその理由とともに目標値に抑える政策を説明することが義務付けられている。この書簡は、来年2月のMPCの議事録およびインフレ報告書と併せて公表される。
今後については、経済が11月のインフレ報告書で示した予想通りに推移すれば、向こう数年間で緩やかな金利の引き上げが必要になるとの見方を示した。ただし従来通り、「利上げは緩やかなペースで限られた範囲内にとどまる」としている。
なお、英国の欧州連合(EU)離脱の展開に対する一般世帯や企業、市場の反応が、引き続き経済の見通しに最も大きな影響を与え、不透明な要素となると指摘している。
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