オンラインブックメーカーの英スポーティングベットを所有するマン島の投資会社GVCホールディングスは7日、ブックメーカーのラドブロークス・コーラルを買収する方向で交渉を進めていると発表した。規制環境が厳しくなり業界再編が進む中、世界的な地位を高めたい考え。
GVCはラドブロークス・コーラル株1株当たり160.9ペンスに加え、最大42.8ペンスの不確定価額受領権(CVR)を支払う。これは前日終値に50%のプレミアムを上乗せした水準で、ラドブロークス・コーラルの企業価値を最大39億ポンドと見積もった形だ。
買収が実現すれば、GVCは「ラドブロークス」「コーラル」「ガラ」の各ブランドを取得する。取得後のシナジー効果は7,000万~1億ポンドに上るという。
ブックメーカー業界では再編が進んでおり、2015年にはラドブロークスとガラ・コーラル・グループ、ベットフェア・グループとパディー・パワーがそれぞれ合併。先にはオーストラリアのクラウンベット(CrownBet)を巡り、英ウィリアム・ヒルとパディーパワー・ベットフェアがそれぞれ買収交渉を進めていると報じられた。
これらの動きの背景には、英政府がブックメーカーに適用する税率を引き上げ、規制の厳格化を進めていることがある。同政府は10月、ブックメーカーが店舗に設置するギャンブルマシーンについて賭け金の上限を引き下げる方針を示した。こうした状況を受け、英国に注力するブックメーカーは他国での事業拡大や事業の多角化に動いている。[M&A]
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