英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)は6日、生命科学分野に4,000万ポンドを投資すると発表した。英政府がこの日公表した生命科学業界の支援計画「セクター・ディール」に連動する動き。新薬開発に向けた遺伝子研究を強化する。
GSKは今回の投資で、非営利の生体データバンク「英国バイオバンク」に集まったボランティア50万人分の遺伝子配列データを解読するプロジェクトを推進する。また、資金の一部は、GSKが参加する業界協業プロジェクト「オープンターゲット」にも振り向けられる。オープンターゲットは新薬開発の優先分野を特定するために遺伝子や生体のデータを共有する試みで、2014年にケンブリッジで始動した。
セクター・ディールは、欧州連合(EU)離脱に伴う経済成長の失速を食い止めるとともに、長期にわたり低迷する生産性を向上させるために政府が先に打ち出した産業戦略の一部。生命科学、建設、人工知能(AI)、自動車の4分野で技術革新や生産性の向上、輸出増加を促進する。
産業戦略にはこのほか、2027年までにR&D投資が国内総生産(GDP)に占める比率を2.4%に引き上げること、研究開発(R&D)費用の税額控除率を12%に高めること、新たに産業戦略チャレンジ基金を設置し、7億2,500万ポンドを投資することなどが含まれている。
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