オランダの化学大手アクゾノーベルは21日夕、米同業アクサルタ(Axalta)・コーティング・システムと塗料・塗装事業を統合する合併交渉が決裂したと発表した。具体的な理由は明らかにされていないが、条件面で折り合いが付かなかったとみられる。
アクゾノーベルは10月、アクサルタと対等合併に向け「建設的な協議」を進めていると発表。実現すれば時価総額300億ドル超の業界大手が誕生するはずだった。アクゾノーベルは米同業PPGインダストリーズからの買収提案を3度にわたり拒否しており、一部の市場関係者はアクサルタとの合併交渉について、PPGの手に渡るのを逃れるアクゾノーベルの意図が明らかで、アクサルタに必要以上の金額を支払う大きなリスクを伴うと指摘していた。
アクゾノーベルのティエリー・ファンランカー最高経営責任者(CEO)は「今後も事業を発展させ収益性を向上し続けるため、われわれの戦略的選択肢に引き続き注力する」とコメントした。
アクゾノーベルは併せて、特殊化学部門のスピンオフ(分離・上場)は計画通りに進んでいると明言。今年4月には、向こう1年以内に同部門のスピンオフを行い、これによる利益の大半を増配や特別配当を通じて株主に還元することを確約していた。
■日本ペイントがアクサルタに買収提案
日本ペイントホールディングスは22日、アクサルタに買収案を提示した事実を認めた。詳細に関してはコメントを控えている。
日本ペイントは、アクサルタと合意に至る確約はないとした上で、今後開示すべき事実が決定した場合は速やかに公表すると述べた。ロイター通信によると、日本ペイントは全額現金による買収を打診したもようだ。[M&A][日本企業の動向]
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