スペインの風力発電機大手シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジーは6日、全人員の2割超に当たる最大6,000人を整理すると発表した。来年の売り上げが5分の1ほど縮小することを見据えた措置。
風力タービン業界は競争が激化しており、価格圧力が高まっているほか、規模拡大に向けたM&A(企業の合併・買収)も増えるとみられている。同社は過去数カ月で2度にわたり業績見通しを下方修正しており、これまで700人としていた人員整理の規模を今回、大幅に引き上げた格好だ。
シーメンス・ガメサはこの日、2017年9月期の決算を発表した。本業のもうけを示すEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)は7億7,400万ユーロと、前年同期比18.1%減少。独総合電機大手シーメンスとスペインの風力発電機大手ガメサの事業が統合された後の4~9月で見ると、わずか1億9,200万ユーロにとどまっている。
マルクス・タッケ最高経営責任者(CEO)は、「われわれの業績は依然として求めている水準に達していない」とコメント。その一方で、業界での主導的な立場の確保に向けた再建計画は順調に進展しており、市況の変化にも十分対応できると自信を示した。
シーメンスとガメサは今年4月に風力タービン事業の統合を完了。シーメンスが洋上風力発電事業をガメサに移管した上で、統合後の新会社の株式59%を取得した。業界では近年、独ノルデックス(Nordex)がスペインの再生可能エネルギー大手アクシオナ(Acciona)・エネルギア傘下の同業アクシオナ・ウインドパワーを買収したほか、米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)が仏重電大手アルストムのエネルギー事業を取得するなど、統合が加速している。[労務][M&A][環境ニュース]
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