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英中銀、10年ぶり利上げ 政策金利0.5%=インフレ抑制へ

英中銀イングランド銀行は2日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.25%から0.5%に引き上げることを決めた。インフレの加速を背景に、2007年7月以降で初めて金融引き締めに転じた。金融資産購入による量的緩和策の規模については、4,350億ポンドで維持した。いずれも大方の予想通り。同行は向こう3年で政策金利を1%まで引き上げる可能性を示唆している。

議事録によると、9人の委員のうちジョン・カンリフ副総裁とデーブ・ラムズデン副総裁の2人は金利の据え置きを主張した。金融資産の購入規模の維持は全会一致で決定した。

中銀は前回9月のMPCの後、数カ月以内に利上げを行う可能性が高いとしていた。9月のインフレ率は3%と、2012年4月以降で最高を記録。中銀が目標とする2%を8カ月連続で上回った。同行は10月にはこれがさらに加速するとみている。

MPCは、金利を従来の水準に据え置いた場合、インフレ率は今後も目標の2%を上回り続けるとの判断から、利上げに踏み切った。

今後については、2020年までにインフレ率を目標の水準前後に引き下げるために、0.25ポイントの利上げをさらに2回実施する必要があるとの見方を示した。従来通り「将来的な利上げは緩やかなペースで限られた範囲内にとどまる」としている。

市場は既に今回の利上げを織り込み済みだった上、今後により急激な利上げを予想する声もあったため、この発表を受け一時、急速にポンド安が進んだ。

■今年のインフレ見通しを引き上げ

中銀は併せて公表したインフレ報告書で、インフレ率が10月に3.2%でピークに達するとの見方を示した。従来予想では第4四半期(10~12月)に2.8%でピークに達するとしていた。これを受け、通年のインフレ率は3%に達すると予想。従来予想から0.2ポイント引き上げている。

国内総生産(GDP)については、向こう3年の成長率が年平均1.7%にとどまるとみている。これは、金融危機以前の年平均2.9%を大幅に下回る。MPCは英国の欧州連合(EU)離脱決定が経済見通しに顕著な影響を及ぼしているとしている。


関連国・地域: 英国EU
関連業種: 金融小売り・卸売りマクロ・統計・その他経済政治

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