スペインの最高裁判所は10月31日、北東部カタルーニャ自治州の独立問題を巡り、同州のプチデモン前首相と前幹部13人に対し11月2~3日に出廷するよう命じた。検察当局はプチデモン氏らを反乱罪などの容疑で訴追しており、出廷を拒否すれば身柄を拘束する可能性もある。一方、同州政府が公表した最新の世論調査によると、独立に賛成する住民は48.7%に上昇し、過去3年弱で最高を記録。反対の43.6%を上回った。BBC電子版などが伝えた。
国内にとどまっている州議会の前幹部の何人かは、出廷命令に応じるもよう。裁判官は、捜査中にプチデモン氏らを拘留するかを決定することになっている。これに対し、同氏の弁護士は「プチデモン氏は出廷のためにスペインに帰国しない」と述べ、スペインではなく滞在先のベルギーで喚問を受けるべきと反発した。スペイン最高裁は併せて、プチデモン氏らに潜在的な法的責任として620万ユーロの前払い金を3日以内に納めるよう命じた。
プチデモン前首相は先に、ベルギーの首都ブリュッセルで会見を開き、中央政府が要求する州議会の解散総選挙の実施を受け入れる方針を示した。また、ベルギーで亡命申請を行う意向はなく、中央政府による公正な司法手続きが保証されれば直ちに帰国すると明言している。
カタルーニャ自治州は10月1日、憲法裁判所の違憲判断を押し切って住民投票を決行。有権者約230万人が投票し、90%が独立を支持した。同27日には州議会でスペインからの独立宣言の実施が承認されたことを受け、独立宣言に踏み切った。スペイン上院は同日、憲法第155条に基づき同州の自治権を停止する決議案を可決。州議会を解散させ12月21日に選挙を実施するとした。また、プチデモン前首相の職をサエンス副首相に代行させたほか、州警察のトップを解任し、内務省がこれを管轄することを決定した。
なお憲法裁判所は先に、同州の独立宣言は無効との判断を下している。
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