英中銀イングランド銀行は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い英金融サービス業では向こう3~5年に最大7万5,000人が失職するとみているもようだ。同行幹部はこの数値を「合理的シナリオ」として用いているという。BBC電子版が10月31日伝えた。
同行は特に、英・EU間の金融サービス協定がまとまらない場合に、この数値が現実のものとなる可能性が高いとみている。ブレグジット後の対EU貿易協定の内容によって、数値が変わる可能性はあるものの、その場合もかなりの数の失職者が出ると見込んでいる。また、多くの雇用が欧州大陸に流出することも予想しているという。
英国のEU離脱が国内金融サービス業の雇用に及ぼす影響をめぐっては、これまでにさまざまな見方が示されている。ロイター通信が金融機関100社以上を対象に行った調査では、ブレグジット後の2、3年で1万人が失職すると予想されているのに対し、ロンドン証券取引所(LSE)のグザビエ・ロレ最高経営責任者(CEO)は、20万人超が職を失うとみている。
イングランド銀の予想はこの中間に位置づけられ、米コンサルティング会社オリバー・ワイマンが先に示した試算に近いものとなっている。同社は6万5,000~7万5,000人の雇用が失われると予想。このうち金融サービス業の失職者は4万人で、法務などの関連業界でさらに3万~4万人が失職するとしている。同社の数値は銀行ロビー団体がブレグジットの影響を評価する際にも頻繁に使用されている。[労務]
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