英金融大手HSBCホールディングスは30日、第3四半期(7~9月)の税引き前利益が46億2,000万ドルとなり、前年同期の8億4,300万ドルから5.5倍近くに増加したと発表した。アジアが好調だったほか、1年前はブラジル事業の売却に伴い約17億ドルの損失を計上しており、この反動が大きい。
地域別では、主力のアジアが40億2,900万ドルと10.1%増加。中東・北アフリカは10.6%増え、北米は2倍弱に拡大した。中南米は1億5,000万ドルと1年前の15億9,500万ドルの赤字から黒字に復帰。欧州は赤字が前年同期の16億1,700万ドルから5,000万ドルに大きく縮小している。
特別損失を除く全体の税引き前利益は1.4%減の54億5,400万ドル。これを部門別に見ると、リテールバンキング&ウェルスマネジメント部門は11.1%拡大し、コマーシャルバンキング部門は7.6%伸びた。一方、投資銀行業務を含むグローバルバンキング&マーケット部門は3%減少した。自己資本利益率(ROE)は7.1%と、1年前のマイナス1.4%から大きく改善している。
グループの業務粗利益は125億3,000万ドルと40.1%増加。不良債権関連の費用は4億4,800万ドルと20.8%減り、営業費用は2%縮小した。普通株等ティア1レシオ(自己資本比率)は9月末時点で14.6%と、3カ月前から0.1ポイント低下している。
同行は先に、新たな最高経営責任者(CEO)にリテールバンキング&ウェルスマネジメント部門を率いるジョン・フリント氏(49)を迎えると発表。現職のスチュアート・ガリバーCEO(58)が退任する2018年2月21日付で就任する。[M&A][労務]
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