化粧品で世界最大手の仏ロレアルは22日、創業者の娘で主要株主のリリアンヌ・ベタンクール氏が20日死去したと発表した。享年94歳だった。
ベタンクール氏は米経済誌フォーブス(Forbes)の「2017年世界長者番付」で、女性としては1位に君臨。資産総額は395億ドルに上るとされている。
ロレアル創業者のウージェンヌ・シュエレール氏の一人娘だったベタンクール氏は、晩年は認知症を患い、身辺管理能力のなくなった同氏の資産を巡って、家族や友人らとの間で確執が度々生じた。一時はサルコジ元大統領まで巻き込むスキャンダルに発展したこともあった。
ロレアルは「リリアンヌ・ベタンクール氏は、常に起業家精神に溢れ、好奇心旺盛で斬新なアイデアを持ち合わせていた」と追悼声明を出している。
なお、ベタンクール家はロレアル株33%を保有。一方、食品で世界最大手のネスレ(スイス)は、ロレアルの40年来の大株主として現在も約23%を出資する。ベタンクール家とネスレは、ベタンクール氏の存命中と没後6カ月間は株式の買い増しをしないことで合意している。
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