ロンドン交通局(TfL)は22日、米配車サービス大手ウーバー(Uber)のロンドンでの営業ライセンスを更新しないと発表した。現行のライセンスは30日に期限切れとなるため、10月以降はウーバーのサービスが利用できなくなる可能性がある。
TfLは今回の決定について「タクシーやプライベート・ハイヤーへの規制は、利用者の安全を確保するためのもの」と説明。重大犯罪発生時の報告体制やドライバー採用時の適正試験の不十分さ、各国の規制当局によるアプリへのアクセスや検査を制限するソフトウエア「グレイボール(Greyball)」の使用などに懸念を示した。その上で、「運営会社は規制に従い、その能力があることを示し、TfLにそう認められる必要がある」と強調。ウーバーはその基準を満たしていないと断じた。
ウーバーは2012年にロンドンでの営業ライセンスを取得。ドライバー数は4万人、利用者数は350万人に達している。同社にとり同市は欧州最大の市場で、ライセンス失効は業績に多大な影響を及ぼすとみられる。
ウーバーは「ロンドンはイノベーション企業に対し閉ざされている」と反論しており、異議を申し立てる方針。両者の間では既に、ミニキャブや個人運営のタクシードライバーに英語の試験を義務付ける新たな規制を巡り訴訟に発展しており、今回も法廷で争われる可能性もある。
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