近い将来、「空気」を日常的に購入する日が来るかもしれない——。スイスのスタートアップ企業スイスアルパインエアー(Swiss Alpine Air)が、スプレー缶入りの新鮮な空気をオンラインで販売し始めた。深刻な大気汚染にさらされている中国やインドが主なターゲット市場で、欧州でも地下鉄などを利用する通勤者の購入を見込む。
アルプス地域の各地で空気を詰めた缶は7リットル入りが19.95スイスフラン(21ドル)で、吸いやすいようにマスクも備える。1缶当たりおよそ10分間、120回以上の呼吸が可能。既に数ロットが売れたという。
同社のダニー・ウール最高経営責任者(CEO)は「この製品は日々極度の汚染にさらされている人々のためのもの。大気汚染は寿命を縮めたり健康被害をもたらしたりする恐れがある」と説明。今後、北京にも拠点を構える予定だ。
空気の販売は、既にカナダやオーストラリアの企業が試みている。一昔前はミネラルウオーターの購入をいぶかしむ人がいたが、大気汚染が深刻化する今、新たな需要が生まれているのかもしれない。[環境ニュース]
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