スペイン北東部カタルーニャ自治州が10月1日に分離独立の是非を問う住民投票を計画している問題を巡り、中央政府と同州の対立が激化している。20日には、警察の治安部隊が政府が同自治州のヨセプ・マリア・ヨベ経済長官兼副首相など高官14人の身柄を拘束。これを受け、州都バルセロナでは数千人が抗議デモを展開した。BBC電子版が伝えた。
同相などは、州の納税者に関する機密データを独立支持派に漏らした容疑で逮捕された。これを受け、バルセロナ中心部にある同相の事務所前には数千人の支持者が集結。また、同州の連立政権に参加する極左の人民連合(CUP)の本部に捜索が入ると、本部前に集まった支持者らが「スペイン警察は出て行け」と口々に叫んだ。抗議デモは他の複数の都市でも行われ、夜まで続いた。
カタルーニャ自治州のプチデモン首相は、「中央政府は事実上、カタルーニャの自治権を停止した」と抗議している。これに対し、スペインのラホイ首相は翌21日、国営テレビ放送で過激主義と不服従のエスカレートをやめるよう同州政府に訴えた。
カタルーニャ自治州の州議会(定数135)は9月6日、住民投票を実施するための法案を可決。スペイン政府はこれを違法と見なし、憲法裁判所に差し止めを求めた。憲法裁もこれを支持する判決を下したが、自治州政府が投票断行の構えを見せたため、政府は治安部隊に命じて投票用紙を押収した。同州の人口は750万人で、独自の言語と文化を持つ。
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