破産申請した独2位の航空会社エアベルリンは、10月15日にも全ての長距離路線の運航を停止する見通しだ。同社はリース機の返却を余儀なくされたため、9月後半からはデュッセルドルフー米ニューヨーク間などごくわずかな長距離路線を残すのみとなる見込み。関係者の話として、ロイター通信が伝えた。
エアベルリンは大株主であるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のエティハド航空が資金支援を打ち切ったことを受けて、8月15日に破綻手続きに入った。既にベルリン発着の長距離便4路線やデュッセルドルフ発着のカリブ諸国路線などの廃止を決めている。エアベルリンは残りの長距離便の運航停止について、「そのような決定はまだ下されていない」とコメントしている。
■ルフトハンザ、最大78機取得へ
ルフトハンザのカールステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は20日夜、エアベルリンの資産取得について、同社が現在、機体と客室乗務員などをセットで借りる「ウェットリース」契約を結んでいる38機の引き受けを優先する方針を示した。これらは主に、傘下の格安航空ユーロウイングスで使用されている。
ルフトハンザはユーロウイングス向けに別途、短距離機20~40機を取得することも検討している。ルフトハンザは、これが規制当局の承認を得られる機体数の上限だとみている。長距離路線の発着枠については、単独での事業拡大が可能だとして関心を示していない。なお、ユーロウイングスは今冬からデュッセルドルフ空港発、来年からベルリン・テーゲル空港発の長距離便を就航する計画を明らかにしている。
エアベルリンの資産売却入札は15日に締め切られ、ルフトハンザや英格安航空イージージェット、英旅行大手トーマス・クック傘下の独コンドル航空などが応札した。関係者によると、英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空を運営するインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も含まれているという。債権団は21日にこれらの提案について協議し、エアベルリンの取締役会が25日に売却先を決定する予定だ。[M&A]
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