ティッセンとタタ、事業統合で合意 欧州鉄鋼メーカーで2位が誕生

独鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップは19日、インドの鉄鋼大手タタ・スチールと欧州鉄鋼事業を統合することで覚書(MOU)を締結したと発表した。欧州の鉄鋼メーカーとしては世界最大手アルセロールミタル(ルクセンブルク)に続き、業界2位が誕生する。折半出資の合弁会社を設立し、人員整理などを通じたシナジー効果は年間最大6億ユーロが見込まれている。

新会社の名称は「ティッセンクルップ・タタスチール」で、オランダのアムステルダムに本拠を置く。年商は約150億ユーロに上り、平鋼出荷量は年間2,100万トンに達する見通し。事業拠点は現時点で34カ所で、従業員数は4万8,000人。

両社は事業統合を通じて、全体の8%に当たる約4,000人の整理に踏み切る方針。対象は事務管理部門と生産部門が2,000人ずつで、双方が均等に実施する。

ティッセンクルップのハインリヒ・ヒージンガー最高経営責任者(CEO)は、「合弁会社を通じてティッセンクルップとタタ・スチールの欧州鉄鋼事業は今後も存続する」とコメント。欧州の鉄鋼産業の構造的課題に取り組むと意気込みを示した。

取引完了には、ティッセンクルップの監査役会とタタの取締役会、欧州委員会の承認を必要とする。来年初めの正式合意、2018年末までの手続き完了を見込んでいる。

欧州の鉄鋼市場は、安価な中国製品の流入や建設向け需要の低迷、鉄鋼工場の旧式化による非効率性などに直面している。タタは昨年3月、財務状況の悪化を受け、英国事業の一部または全部を売却する計画を発表し、同年7月にはティッセンクルップと欧州事業の統合に向け交渉していることを認めた。タタの英国での150億ポンドに上る年金債務を巡り交渉が難航していたが、先に年金基金の切り離し計画の承認を得たことで交渉が一気に進展した。[M&A][EU規制][労務]


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