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排ガス不正、年5千人の死亡誘引 欧州の大気汚染を悪化=英学術誌

ディーゼル車の排ガス不正による大気汚染が原因で死亡する人の数は、欧州だけで年間5,000人に上る――。英学術誌エンバイロンメンタル・リサーチ・レターズに掲載された最新の論文で、こうした試算が示された。AFP通信が18日伝えた。

ノルウェーとオーストリア、スウェーデン、オランダの研究者が発表したこの論文によると、欧州ではディーゼル乗用車・小型商用車から排出される大気汚染物質の窒素酸化物(NOx)が原因で、毎年、約1万人が死亡している。これらの車両が道路上で排出する大気汚染物質が、排ガス検査時の水準以下にとどまっていれば、このうち約4,750人が死亡を免れたという。また、ディーゼル車のNOx排出量がガソリン車並みの水準にとどまっていれば、さらに4,000人近くの死亡が避けられたとしている。

独自動車大手フォルクスワーゲンは、排ガス検査時にのみNOxの排出量を引き下げる違法ソフトウエアを一部ディーゼル車に搭載していたことを認めている。他の自動車大手についても同様の疑惑が持たれており、各国で調査が進められている。英学術誌ネイチャーに5月に掲載された論文によると、ディーゼル車の排ガス不正に起因する2015年の死亡者数は、全世界で3万8,000人に上っている。

ディーゼル車は地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量がガソリン車より少ないとの理由から、1990年代に欧州で急速に普及が促進され、現在は全体の約半数を占める。ただ、ベルギーの環境保護団体トランスポート&エンバイロメント(T&E)はこの日、ディーゼル車が製品寿命を通じて排出するCO2の量はガソリン車を3.65トン上回るとの調査結果を発表。ディーゼル車は気候変動の防止に役立つという主張に疑問を呈している。[環境ニュース]


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