破産申請した独2位の航空会社エアベルリンの資産売却入札が15日に締め切られ、ルフトハンザ航空を含む数社が応札したもようだ。売却先は21日に決定される予定だったが、ドイツ総選挙の翌日の25日に延期されている。エアベルリンの広報担当者の話を元に、ロイター通信が伝えた。
赤字の続いていたエアベルリンは、大株主であるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のエティハド航空が資金提供を打ち切ったことを受け、8月に破綻手続きを開始。向こう3カ月はドイツ復興金融公庫(KfW)を通じて1億5,000万ユーロの貸し付けを受けて営業を継続しながら、航空各社と売却交渉を進める予定となっている。
同社は資産を分割して数社に売却する可能性が高い。ただ、各社の主な目当ては約140機の航空機とベルリン・テーゲル空港やデュッセルドルフ空港などの発着枠で、事業を引き継ぐことへの関心は薄いとみられる。ルフトハンザ航空は、このうち最大90機の取得を狙っており、10億ユーロ以上を提示する方針とされる。これにはエアベルリンのオーストリア子会社、ニキ航空(NIKI Luftfahrt)の保有機や、ルフトハンザが既にエアベルリンから乗務員付きでリースを受けている38機が含まれるという。
また、英格安航空大手イージージェットは15日、エアベルリンの短距離事業の買収提案を行ったと発表した。最大40機の取得に関心を示しているとみられる。一方、フォーミュラ1(F1)の元レーサーで実業家のニキ・ラウダ氏は、英旅行大手トーマス・クック傘下の独コンドル航空と共同で、かつて自らが保有していたニキ航空およびエアベルリンの保有する17機を取得する方針で、約1億ユーロでの買収を提案する意向を示している。
このほか、ドイツの同族経営の物流企業ツァイトフラハト(Zeitfracht)は、エアベルリンの貨物事業と保守事業、ボンバルディア機20機を保有する地域航空事業LGWの買収案を提示。投資家のハンスルドルフ・ウェアル氏や、中国の林徳国際運輸代理(リンクグローバル・ロジスティクス)も関心を表明している。[M&A]
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