スペイン北東部カタルーニャ自治州の州議会(定数135)は6日、分離独立の是非を問う住民投票を実施するための法案を賛成多数で可決した。10月1日の実施を予定する。スペイン政府はこれを違法と見なしており、憲法裁判所に差し止めを求めた。
同州議会は、独立派の政党連合「共にイエス(JPS)」と極左の人民連合(CUP)が過半数を占めている。法案の審議は12時間にわたり、しばしば議論が紛糾する場面もあった。反対派の議員は議会を欠席し、一部議員は座席にスペインの国旗とカタルーニャ州の州旗を残していった。得票数の読み上げが始まると、賛成派の議員はカタルーニャ州の州歌を合唱した。
議会は賛成72票、棄権11票の賛成多数で法案を可決。住民投票の実施に加え、新たな国家を制定するための枠組みも承認され、仮に住民投票で賛成多数となれば48時間以内に独立を宣言する運びとなる。投票の質問は「カタルーニャを共和国として独立させたいか」で、既に投票箱や投票用紙などの準備も整っているという。
ラホイ首相は先に、住民投票の実施を阻止するため、政府はあらゆる手段を尽くす方針を示した。サエンスデサンタマリア副首相は法案の可決を受け、「カタルーニャ州議会で起きたことは恥ずべきことだ」と批判した。
カタルーニャ自治州では8月、イスラム過激派のテロ攻撃によりバルセロナなどで16人が死亡する事件が発生した。これを受け、同州と中央政府は一時的に共同戦線を張ったものの、事件を未然に防げなかった責任を双方が押し付け合って再び溝が深まり、テロ事件は政治問題化。フェリペ国王が同州を弔問に訪れた際は、群集からブーイングが飛び交った。
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