産業向けソフトウエアを手掛ける英アヴィバ(Aveva)・グループは5日、仏電機大手シュナイダー・エレクトリックの産業ソフト事業と統合することで合意したと発表した。実現すると、上場するソフトウエア企業としては英国最大規模となる。当局の承認などを経て、今年末までの取引完了を目指す。
シュナイダーは2015年以降、2度にわたりアヴィバの取得に乗り出していたが、条件が折り合わず、撤回した経緯がある。シュナイダーは今回、産業ソフト資産を切り離した上で、アヴィバに吸収させ、統合後にアヴィバの過半数株を取得する。アヴィバはロンドン証券取引所(LSE)への上場を継続する予定で、いわゆる「リバース・テイクオーバー(逆さ合併)」の形となる。
統合後のアヴィバへ出資比率は、シュナイダーが60%、アヴィバが40%。シュナイダーの持ち株の価値はおよそ17億ポンドとなる。シュナイダーはこれに加え、現金5億5,000万ポンドをアヴィバに支払う。
アヴィバは主に石油・ガス、電力、造船向けのソフトウエアを手掛ける。一方のシュナイダーは従来の機械事業からソフトウエアも含めた総合製品へと軸足を移している。今回の統合で、アヴィバは既存事業を強化するほか、シュナイダーが強みを持つ化学や食品、医薬品、上下水道、主要インフラ向けの事業を傘下に入れる格好となる。
統合後のアヴィバの売上高は6億5,750万ポンド、EBITA(利払い・税引き前・償却費控除前利益、特別損益除く)は1億4,580万ポンドに膨らむ見込み。また、中期的には、統合によるシナジー効果が得られる見通しだ。[M&A]
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