欧州連合(EU)とウクライナの連合協定が1日、発効した。協定の一部は段階的に適用されていたが、オランダが5月に同協定を承認したことで一連の批准手続きが終了。全面的な適用が可能となった。
同協定は自由貿易協定(FTA)が核となるもので、双方は2007年に協議を開始し、2014年に調印した。その後、ウクライナの最高会議(議会)と欧州議会は同年中にこれを批准したが、オランダで昨年、協定の是非を巡る国民投票が実施され、反対が多数を占めた。これを受け、EUは◇連合協定がウクライナのEU加盟に自動的につながるものではないこと、ウクライナの防衛義務や軍事支援を保証しないこと◇EU域内でウクライナ国民は就労できないこと◇加盟各国がウクライナに財政支援をする義務はないことなどを明確化した経緯がある。
欧州委員会のユンケル委員長は「多くの困難を乗り越え、ウクライナ国民に約束してきた連合協定を発効させることができた」と歓迎。EUのフェデリカ・モゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は「両国民の結びつきを強化し、より大きい市場、事業成長や起業の機会をもたらすとともに、経験や情報、能力の共有を深化させることができる」と話した。
また、欧州委のヨハネス・ハーン欧州近隣政策・拡大交渉担当委員は「ウクライナの全国民がEUとのより密接な関係の恩恵を受けるだろう」と述べ、引き続き専門的な知見や資金援助を通じて同国の改革を支援する方針を明らかにしている。[EU規制][労務]
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