欧州連合(EU)は1日、欧州市場で販売される自動車を対象に新たな排ガス試験を導入する。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の不正で問題となった試験場内の検査を厳格化するとともに、路上走行時の試験が新たに加わる。
新たな試験場内の検査(WLTP)は、窒素酸化物(NOx)などの汚染物質や二酸化炭素(CO2)、燃費を測定するもので、従来の検査に比べて現実に即したものとなる。当初は欧州で新たに型式認証を受ける新型車だけを対象とするが、2018年9月からは全ての新車に広げる。
実走時の試験(RDE)は世界でも初めてで、公道のさまざまな状況での走行時に、携帯測定装置を使ってNOxと粒子状物質を調べる。EUでは2014年から排出基準「ユーロ6」を導入し、NOxの排出上限を1キロ走行当たり80ミリグラムとしているが、第1段階のRDEでは、上限値の2.1倍まで容認する。当初は新型車だけで、2019年9月から全ての新車に適用する。第2段階では上限値から1.5倍の誤差を容認し、2020年1月から新型車に、2021年1月から全ての新車に導入する。
欧州自動車工業会(ACEA)は、「自動車業界はユーロ6に準拠した車両がRDEの排出量で大幅な改善を達成するよう多大な投資を進めてきた」として、新たな排ガス試験の導入を歓迎している。[環境ニュース][EU規制]
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