チェコのソボトカ首相は28日、ユーロを導入していない欧州連合(EU)加盟国に、ユーロ圏の会合でオブザーバー資格を与えることを提案した。EU加盟国間の信頼感を高めるためと説明。AFP通信などが伝えた。
EU28か国のうちユーロを導入しているのは19カ国で、チェコを含めた9カ国が導入していない。英国がEU離脱を決めたことで、ユーロ圏では統合強化の推進を検討しているが、これによりユーロ圏外の加盟国にはEUの意思決定プロセスなどで影響力が弱まるとの懸念が出ている。
ソボトカ首相は、オブザーバー資格で会合に参加することによって相互の信頼感が高まり、ユーロ圏内の加盟国と圏外の加盟国の間で亀裂が広がるのを防げると主張。「この提案を示すことで幅広い支持が得られるか判明する」と説明している。
チェコは既に、ユーロ導入の準備段階である2年間の「為替相場メカニズム(ERM2)」の参加要件をほぼ満たしている。ただ、ソボトカ首相はこれまでユーロ導入目標時期への言及を控えており、現政権下ではERM2参加は見送られるとみられている。また、中銀チェコ国立銀行(CNB)のルスノク中銀総裁も昨年の就任時に、任期中の6年間に導入することはないとの見方を示していた。
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