フランクフルトは、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、向こう4年で金融業従事者が1万人増えるとの見通しを明らかにした。初の包括的調査となる。ロイター通信などが伝えた。
調査は同市のロビーグループ「フランクフルト・マイン・ファイナンス」が主導。金融業界での雇用拡大に伴い、非金融セクターでも少なくとも2万1,300人、最も楽観的なシナリオでは8万8,000人近くの雇用が生まれる見込みだ。これは不動産業者やタクシードライバー、建設業従事者など多岐にわたる。
一方、人口増加による住宅価格の上昇を懸念する声もある。フランクフルトの現在の人口はおよそ73万人で、2010年から既に10%増加。ドイツでは不動産ブームで住宅価格の高騰が問題となっており、ブレグジットでさらに拍車がかかる可能性があるという。
ブレグジットを受け、ロンドンに拠点を持つ金融機関がEUの拠点を英国外に移す動きが加速している。欧州中央銀行(ECB)が本拠を構えるフランクフルトは主要な候補地の1つで、米シティグループやモルガン・スタンレー、英スタンダード・チャータード銀行などのほか、日本勢では野村ホールディングスと大和証券グループ本社、三井住友フィナンシャルグループ、みずほ証券が同市への移管を決めている。[労務]
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