運輸省は23日、自動運転車を対象とする法的なガイドラインを公表し、人の安全を守ることを最優先とするよう明示した。自動運転車の規制としては世界でも初めてとなる。ロイター通信などが伝えた。
新たなガイドラインは、倫理や法律、技術の専門家で構成される同省の倫理委員会がまとめたもので、自動運転車のソフトウエアは人の殺傷を回避することを何よりも優先してプログラムするよう義務付けている。これにより事故が避けられない場合には、車が家屋や施設を破壊し路上の動物をはね、制限時速を超えてでも人への危害を最小限に食い止めることをソフトウエアが選択するように組まなければならない。
アレクサンダー・ドブリント運輸相は、「デジタル化や機械学習の時代には人間と機械の相互作用が新たな倫理的課題を投げかけている」として、同省の倫理委員会が世界初の自動運転車用ガイドラインを策定したと強調している。
ドイツでは先に連邦議会が自動運転車に関する法規を可決し、ドライバーが常に車を制御できる態勢で運転席に座ることを義務付け、ドライバーの責任を明確にした。これにより自動運転車の公道での試験走行が可能となった。
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