ビール大国のチェコで、缶ビールの需要が拡大している――。背景にはビールの消費行動の変化がある。チェコ・ビール・モルト協会(CSPS)のデータを元に、ラジオ・プラハが21日伝えた。
それによると、チェコ人は伝統的にパブやレストランでビールを消費してきたが、最近は「家飲み」の人気が上昇。今年に入っても、外食産業におけるビール消費が縮小する一方で、缶ビールが大きく伸びているほか、瓶ビールも堅調な伸びを見せているという。
なお、チェコではかねて家庭用に購入する場合も、缶ではビールの味が落ちるとして瓶入りを選ぶ傾向が強かったが、近年は若年層を中心に缶ビールが普及。CSPSはこの理由として、軽量で壊れにくく、ふたを開けるのが容易で、冷却時間が瓶ビールより短いことなどを挙げている。
こうした利点から、缶ビールは瓶ビールよりも平均3コルナ(13セント)高いにもかかわらず売り上げを伸ばし、6月の販売量は前年同月比で73%拡大した。
チェコの缶ビールの歴史は米国や欧州主要国に比べはるかに浅い。米英仏独では缶ビールは1930年代に登場し、1950~60年代に幅広く普及したが、チェコでは1990年代に導入され、2010~2012年にようやく一般化した。
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