米オンライン販売大手アマゾンの欧州事業による昨年の納税額が、216億ユーロの売上高に対しわずか1,650万ユーロにとどまっていたことが分かった。複雑な節税手段を用いた米主要企業の租税回避への批判が再燃しそうだ。同社が公表した欧州事業の年次報告書を元に、ガーディアンが報じた。
英国の従業員2万4,000人の3分の2近くを雇う倉庫・物流部門アマゾンUKサービシズが昨年納めた法人税は740万ポンドと、2015年の1,580万ポンドの半分以下に減少。この間、英国事業の売り上げが9億4,600万ポンドから14億6,000万ポンドに増えたのとは対照的な結果となっている。
貧困や不正の根絶を目指す国際非政府組織(NGO)オックスファム・インターナショナルは、企業の租税回避の横行により学校や医療に役立てられる巨額の資金が失われていると批判。国別の会計報告の仕組みを早急に確立すべきと訴えている。
アマゾンを巡っては、欧州委員会が2015年にルクセンブルクで受けている税制優遇を違法と判断。同社はこれを受け、英国とドイツ、イタリア、スペインの4カ国での事業について、利益をルクセンブルクに移転せず各国内で計上することを決めた経緯がある。[EU規制]
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