JR東日本と三井物産は10日、オランダ鉄道(NS)系列のアベリオ(Abellio)・グループの英国子会社(アベリオUK)と共に、イングランド中西部で路線網を展開する鉄道「ウエストミッドランズ」のフランチャイズ(営業権)を落札したと発表した。12月10日に運営を開始する。JR東日本が海外の鉄道運営を手掛けるのは、これが初めて。
JR東日本と三井物産は、アベリオUKとの合弁会社ウエストミッドランズ・トレインズを通じて、運輸省が実施する入札に参加。アベリオUKの豊富な経験に加え、JR東日本の遅延の少ない運行実績を前面に打ち出していた。入札には他に、現在、ウエストミッドランズの営業権を持つ英鉄道・バス交通大手ゴーアヘッド・グループも参加していたが、同社が運営するロンドン郊外のサザン・レールウェイはストライキの頻発と遅延の多さが問題となっていた。
JR東日本は、海外での鉄道事業への参画を積極的に進めており、これまでにタイでの車両供給・保守や、インド高速鉄道への技術支援を手掛けているが、鉄道運営に参加するのは今回が初めてとなる。
一方、三井物産も旅客鉄道事業に積極的に進出しており、1月にはアベリオUKから、イングランド東部で路線網を展開する鉄道「グレーター・アングリア」の権益40%を取得すると発表。英国での鉄道運営への参画は、今回が2回目となる。
ウエストミッドランズは、バーミンガムとロンドン、リバプールを結ぶ長距離路線をはじめ、ロンドン近郊の通勤列車やバーミンガムを中心としたローカル路線を展開。駅数は170カ所に上り、平日は1日当たり1,300本を運行している。同コンソーシアムは運輸省の要請に応じ、2021年までに同事業に約10億ポンドを投資する計画。400両の新車両を導入し、輸送力増強や通勤混雑の緩和に取り組む。[M&A][日本企業の動向]
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