独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)とインドのタタ・モーターズは10日、戦略的提携に向けた本格交渉を打ち切ると発表した。期待したシナジー効果が得られないと判断したため。
両社は3月、長期的な戦略提携に向けた覚書(MOU)を締結。インドやその他の新興市場向けに車台(プラットフォーム)を共同開発することで合意し、VW側はチェコ子会社シュコダ・オートが前面に立ってタタとの本格交渉を進めていた。
ロイター通信によると、シュコダは、タタが開発を進めるプラットフォーム「アドバンスド・モジュール・プラットフォーム(AMP)」をベースとした低価格モデルの車台の開発を検討していた。しかし、衝突テストや排ガス基準に対応するためには多大な追加投資が必要となることが判明したため、代わりにVWが開発するプラットフォーム「MQB」を採用することにしたという。
シュコダは今回、「現段階では両社が求める技術面、経済面でのシナジー効果が達成できないとの結論に達し、この結果、当面は戦略的提携を目指さないことを決めた」と説明。ただ、「将来的な協業の可能性は排除しない」としている。また、タタ・モーターズのギュンター・ブチェック最高経営責任者(CEO)も、「VWとの将来的な協力の可能性についてはなお前向きでいる」と話している。
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