英決済サービス大手のワールドペイ(Worldpay)・グループは9日、クレジットカード技術を手掛ける米バンティブ(Vantiv)に身売りすることで正式合意したと発表した。バンティブは負債引き受けを含めて93億ポンドを支払う方針で、先の提示額から2億ポンド引き上げた。両社は7月初めに基本合意していたが、条件を巡り交渉を続けていた。
バンティブは、ワールドペイ株1株当たり55ペンスの現金と自社株0.0672株を支払う。新会社「ワールドペイ」への出資比率はバンティブ側が57%、ワールドペイ側が43%となる。統合後は両社がそれぞれ本社を置くロンドンと米オハイオ州シンシナティーの2本社制を敷き、バンティブのチャールズ・ドラッカー最高経営責任者(CEO)が会長兼共同CEO、ワールドペイのフィリップ・ジャンセンCEOが共同CEOに就任する。
新生ワールドペイの時価総額は222億ポンドに達する見込み。146カ国の126通貨を取り扱い、年間400億件、1兆5,000億ドルの決済を処理することとなる。
ワールドペイは 1989年の設立。2010年に親会社だった英金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から米投資会社アドベント・インターナショナルとベイン・キャピタルの手に渡った後、2015年10月にロンドン証券取引所(LSE)に上場した。上場当時の時価総額はおよそ48億ポンド。現在は1日当たり平均3,100万件の決済を処理しており、世界11カ国25拠点で約5,000人の従業員を抱える。[M&A][労務]
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