マケドニアのザエフ首相は1日、首都スコピエでとブルガリアのボリソフ首相と会談し、両国間の友好協力協定に調印した。長年の外交上の対立に終止符が打たれたことにより、マケドニアの欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)加盟に向けた取り組みに弾みがつくと期待されている。
両国は国境を接し、言語や文化の共通点も多いが、互いの少数民族の権利や、19世紀にオットマン帝国からの独立を勝ち取ったゲリラの国籍など、様々な問題をめぐり衝突を重ねてきた。マケドニアはかねてEUとNATOへの加盟を希望しているが、両方の加盟国であるブルガリアとの劣悪な関係が障害となり、これまで道を阻まれていた。
ザエフ首相は会談後の記者会見で、「この協定はEUとNATOに対し、バルカン諸国が友好的な政治的指導者を持ち、民主的な国民に支えられていることを示した」とコメント。「バルカン諸国は欧州および大西洋地域の視点に統合されるに値する」と話した。EUの外務安全保障政策上級代表(EU外相)と欧州委員会のハーン欧州近隣政策・拡大交渉担当委員は共同声明で同協定の調印を歓迎。「この協定は二国間問題の克服に向けた双方の決意を示すと共に欧州全体に模範となるもので、これによりマケドニアのEU加盟への見込みが高まる」としている。
なお、両国は併せて互いの天然ガス供給網を接続することや、2億8,000万ユーロを投じて2027年までにブルガリアの首都ソフィア―スコピエ間に鉄道を敷設することでも合意した。
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