スウェーデン交通庁の個人情報などの取り扱いを巡る問題でロベーン首相は27日、内務相とインフラ相の2閣僚を交代させたと明らかにした。野党の中道右派4党は国防相の辞任も要求しているが同首相はこれを拒否するとともに、連立政権を維持し総選挙の早期実施には踏み切らない方針を表明した。
交通庁は2015年にIT(情報技術)の保守契約を米IBMと結んだが、許可を受けていないチェコやルーマニアの業者に業務を委託し、それらの従業員によって軍の車両に関するデータや運転免許などの個人情報が流出した可能性が明るみに出た。首相と関係閣僚はこの事実について報告を受けていたものの、公表していなかった。ロベーン首相自身も24日に「大惨事であり、スウェーデンとスウェーデン国民が危機にさらされた」と認めていた。
しかし同首相は今回、「スウェーデンを政治的混乱に陥れたくはない」として、2閣僚の交代で問題の幕引きを図ろうとしている。これに対して野党側は対応が不十分であるとして、国防相に対する不信任案を議会に提出する構えで、ロベーン政権への対決姿勢を強めている。
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