イタリアの最高裁判所にあたる大審院は、ローマの円形闘技場「コロッセオ」周辺に史跡公園を建設する計画を認める判決を下した。地方行政裁判所の判決を覆す格好となった。ザ・ローカルなどが伝えた。
史跡公園の建設計画は文化・観光省が提案。建設予定地に「コロッセオ」北側にあるネロ帝の黄金宮殿「ドムス・アウレア」跡地、南西にある「パラティーノの丘」、北西の「フォロ・ロマーノ」を含む大規模なもの。しかし、ローマのビルジニア・ラッジ市長が、同公園が建設された場合、「コロッセオ」と「フォロ・ロマーノ」の入場料収入のうち市の取り分がわずか30%に減少することを理由に反対。また、責任者の候補者にイタリア国籍以外の人物がいることも、一部から反発を受けていた。
今回の判決により、建設計画は外国籍の責任者の起用も含めて承認された。責任者のポストには既に82名の応募があり、そのうち16名は非イタリア国籍。早ければ今秋には責任者が指名され、来年1月1日に就任する見通し。
ダリオ・フランチェスキーニ文化・観光相は、より利用しやすい美術館・博物館を目指して、外国籍の責任者の起用を推進している。しかし、こうした動きに、国内の芸術・考古学界からは強い反対の声が上がっている。
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