独高級車大手BMWは25日、「ミニ」ブランドの電気自動車(EV)モデルを英イングランド南東部のオックスフォード工場で生産すると発表した。電気モーターはドイツで製造し、2019年に同工場で完成車の組み立てを開始する。
同社は、「ミニ」の主力の3ドア・モデルにEV版を投入する。電気モーターやバッテリーは、BMWの独バイエルン州ディンゴルフィング(Dingolfing)およびランツフート(landshut)の工場で生産する。
EV版「ミニ」をめぐっては、英国の欧州連合(EU)離脱後を見据えドイツ南部バイエルン州のレーゲンスブルク(Regensburg)か東部ザクセン州ライプチヒで生産するか、「ミニ」の生産を請け負っているオランダのVDLネッドカーに委託する可能性があると報じられていた。
英国のクラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相はこの発表について「次世代の車づくりに世界で最も適した国となることを目指す政府の計画が信任を得た」と、歓迎の意を表している。ロイター通信は先に、同社がオックスフォード工場に投資する条件として、EV用部品をドイツから調達する際の関税を、EUに輸出される完成車については帳消しとするよう英政府に求めていると報じていた。ただ同社は今回、英政府からブレグジット後の輸出入をめぐる確約は一切、受けていないとしている。
「ミニ」の年産台数は36万台で、現在はそのうち約60%がオックスフォード工場で組み立てられている。同工場は4,600人を雇用する。「ミニ」はかつて存在したブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が生んだ大衆車で、1994年にBMWの傘下に入った。
なお、BMWは2025年までにEVやプラグインハイブリッド車(PHV)が売上高全体に占める比率を15~25%に引き上げることを目指しており、EV版「ミニ」もこの計画の一環。同社は他にも2018年にスポーツタイプのPHV「i8」の新モデル「i8ロードスター」を、2020年にはスポーツタイプ多目的車(SUV)「X3」のEV版を投入し、2021年には完全自動運転・ネット接続型のEV「iネクスト」を発売する計画だ。[環境ニュース]
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